今年、白菜とレタスは種を蒔くのが遅すぎたようです。
白菜は結球しないようであれば、来年、菜の花をとることにします。
レタスはまだとても小さく、結球どころではありませんが、霜が降る気温になると枯れてしまうそうです。
そこで、食べてしまうかどうか考えましたが、ビニールトンネルをかけてみることにしました。
高いレタスになってしまいますが、せっかく芽をだしてくれたので、大きくなれるかどうか観察してみようと思います。
秋も深まり、公園や街ではケヤキやサクラ、イチョウなどが盛んに木の葉を降らせています。
サクラやイチョウははっとするほど美しい色ですが、落ち葉は都会では厄介者でもあるようです。
降り積もる落ち葉を集めてどれだけもらってきても誰にも文句はいわれません。
木々が全部の葉っぱを落とすまで、少しずつ集めて、来年の春に畑の土をやわらかく豊かにしてくれる腐葉土をつくります。
落ち葉を観察しながら、ゆっくりと楽しんで集めましょう。
街の落ち葉を集めていると、アトリエの畑は、天水桶といい「都市型」の農園だということに気がつきます。
公園で落ち葉を集めていると、いろいろな人が教えてくれます。
「イチョウは油分が多くて分解しにくいから腐葉土にはむかないそうですよ」
「若い腐葉土は菊の葉っぱの下の方を赤くしてしまいますよ」
「腐葉土にはケヤキの葉が小さくて好まれるようですね」
こうしている間にも、森ではきっと、静かに落ち葉が降り積もって循環が繰り返されているのでしょう。
お店で売っているかぼちゃはどれも同じくおいしそうですね。
アトリエの畑では今年3本の苗から大小12個のかぼちゃがとれました。
収穫後、少し置くとかぼちゃのデンプンは糖分に変わり甘くなります。
収穫したかぼちゃもしばらく置いておきました。
すると、小さい2個のかぼちゃからは小さい白い虫が小さな小さな穴を通って飛び出してきました。
この白い虫、カボチャミバエの幼虫のようです。
たくさんいて、すごいジャンプ力なので、ちょっとびっくりしてしまいます。
それから小さいかぼちゃ1個は保存している間にしわしわになってきました。
小さいかぼちゃ2個は切ってみると腐ってしまっていました。
大きくて甘いかぼちゃが1個、小さくて甘くないかぼちゃが1個。
甘くないのは煮た後にサラダにして食べました。
残りはどうでしょうか。
全部がおいしいかぼちゃにはなりませんでしたが、どきどきしながら切ってみるのは楽しいですね。
畑のすみに、大きくて立派ないちじくの木が生えています。
今年大家さんのご好意で、いちじくの実の収穫をさせていただきました。
柿の木などと違い、いちじくの実はいっせいには熟しません。
少しずつ熟していくので、何回かに分けて収穫することができます。
熟してくると、黄緑色で固かった実は赤むらさきがかり、木のまわりの空気がほんのりといちじくの良い香りとなります。
いちじくの木の枝は独特の生え方をしており、大きい木は、葉をかき分け入っていくと中は薄暗いジャングルのようです。
そこにいるだけでドキドキします。
黒と黄色の配色のカミキリムシが枝にいてビックリします。
注意深く熟した実を取ります。
最初は見分けるのがうまくいきませんが、何度かする収穫するうちに、熟した実を選んでとるのが上手になります。
収穫したいちじくは、30分くらいで簡単にできるジャムにて食べました。
いちじくは生で食べるとやさしい甘さと香りがしますが、煮るといちじく独特の良い香りが強くなります。
できたジャムはとてもきれいな色でした。
大家さん、貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
10月24日(土)のスープの日のスープは「焼き芋のスープ」でした。
焼き芋と、おいしいクリームだけでつくられたスープは、焼き芋よりも少し薄いクリーム色をしています。
名前から想像できる通りに、とても濃厚なのに優しい甘さで身も心もほっこりするスープでした。
今回のコラムにあるように、焼き芋をつくるためにもそのサツマイモに適した甘みを引き出す火の通し方が行われたのだろうと思うと、その甘さも貴重なものなのだと感じます。
佐藤シェフの今月のコラム7
「食品の組み合わせについて」
お料理を作るとき、メニューを考えてから食材を買う場合と、食材からメニューを考える場合があります。食材から料理を考える場合、どのように組み合わせを考えているでしょうか?
スープの日のスープは食材から考えられています。例えば、先月はコラムのテーマが「発酵」だったので、パンを入れたスープにしよう考えるところから始まりました。パンはスープに香りととろみをつけるために使います。それでは野菜は今が旬のネギとジャガイモにしようか、それを塩とお水だけでスープにした場合、味にインパクトをつけるためには何を入れようか?ということでオリーブオイルにベーコン、鶏肉の香りをじっくり移し、そこにタイムを入れて香りづけをしよう、という具合に決まりました。
昔は親子丼やカツ丼にはたまねぎ、のような組み合わせのセオリーがありましたが、野菜が品種改良されて変わってきているので、今はセオリー通りだけではなく広がりがでてきています。以前ヨーロッパでは煮込んで使われていた野菜でも、品種改良されたものはそれほど煮込まなくても良くなっていたりもします。食材の変化だけでなく、働く人間がグローバル化し始めたときから、例えば生で食べる習慣がなかったところに、そうするための下処理の技術がもたらされ、生食文化の融合によっておこった変化もありました。組み合わせや調理法は、その食材がどのような特徴を持っているかで流動的に決まってくるのです。
その特徴を見分けるためには、まず生で食べてみること、生で食べられない場合はシンプルに火を通して食べその食材を知ることです。そこから組み合わせや調理法を考えるのは経験も必要です。まずはいろいろな料理を食べてみた経験、本や雑誌も、食材の特徴を知り、生かすための情報源となります。さらには、実際に野菜を作っている農家の方々に教えてもらうこともたくさんあります。
スープの日のスープは、お店で出すのとは違い、一旦わたしの手を離れるため、後からどのように火を入れてもいいように作っていますが、お店で出す場合、組み合わせだけでなく、スープにパセリをただ刻んでのせるのではなく、特殊な方法でパセリの風味をオイルに移してたらすなどのように、より手間をかけおいしさを引き出す工夫をしています。
9月26日(土)のスープは「岩手地鶏、ベーコン、アンデスレッド(じゃがいも)、しいたけ、ネギ、パン・ド・カンパーニュのスープ タイム風味」でした。
アトリエの畑では野菜の肥料のためにぼかしをはじめ発酵がかかせません。
発酵は身近な食品にもたくさんあるので、今回はシェフのコラムは「発酵食品」についてです。
それにちなんで、今月はフランス料理にはかかせない代表的な発酵食品のパンを使ったスープをつくっていただきました。
たくさんの具とそこからでるスープを塩だけで味付けし、薪釜で焼いた天然酵母のカンパーニュを入れました。
パンが入ることでスープにとろみがつきますが、天然酵母のパンがもつ独特の香りや味がスープの風味をさらに深く複雑にしています。
そこにタイムがやさしく香って味を引き立てている、とても贅沢な心も体もあたたまるスープでした。
佐藤シェフの今月のコラム6
「発酵食品について」
日本を含むアジアは温かく湿気が多いので、みそやしょうゆをはじめたくさんの発酵食品があります。フランス料理ではどうでしょうか?フランス料理で使う発酵食品の代表と言えば、パン、チーズ、ワインです。特にパンは料理と同じくらい大切なもので、自分のお店でつくるところもあります。プレジールでは、粉とお水から天然酵母をつくって生地を発酵させ、それを薪で焼いているパン屋さんのライ麦パンを2種類お出ししています。天然酵母のパンはその作り方から、いろいろな香りや味、風味があります。
フランス料理でのチーズは、残ったワインをチーズをつまみながら、ということで食後のデザートの前に食べたり、同じ理由でメイン料理の後、デザートの前にチーズを使用した料理をだしたりという使われ方が多いです。これほど禁煙がすすむ前は、食後にチーズとワインとシガー(葉巻)なんて光景もよくありました。イタリア料理のチーズの使い方とまたちょっと違いますね。
わたしはこどものころから日本の豊富な発酵食品をあたりまえに食べてきました。それはフランス料理をつくるにあたり影響はあるのでしょうか?フランスでは気候が違うため、調味料などで発酵製品はあまりありません。けれど、流通が発達した現在は、フランスでもみそやしょうゆなども隠し味に使われるようになってきています。なぜなら、発酵した調味料はうまみのかたまりのようなものだからです。
その昔、フランスで修行した日本人は日本で出店したものですが、現在は現地でお店をだすのもあたりまえの時代です。料理の世界では、人も、食材もどんどん国境や人種の垣根はなくなってきているのです。料理に限らず、どんな食材も使われるようになってくると、ワインなどその土地のその気候に根付いた微生物によって味が決まるものが各地で作られたり、和牛が日本以外の国で育てられたりと、その土地ならではの食品が違う環境で作られることにより多様化してきています。