2016年2月のチラシです。
Monthly Archives: 2月 2016
1月のスープの日
1月23日(土)のスープは丸どりのスープでした。
今回は、特別にそのスープで炊いたチキンライスがつきました。
丸どりのスープは鶏を1羽まるごと水から弱火にかけます。沸騰する直前で火を止め、そのまま置いておきます。一緒にレモングラス、カー、何とかオレンジの葉を入れてにるため、薄く黄緑がかった透明なスープにはいろいろな香りがします。
チキンライスにはスープになった鶏肉とパクチーがつき、鶏肉には生のチリをきざんでいれたしょうゆのソースをかけていただきます。鶏肉とパクチーとライスをあわせて食べるととても複雑な味になります。スープとともに、組み合わせの妙、料理とはこういうものなのだ、と心から感じるものでした。
今回は食後に紅茶をいれました。
香草の香りが残っているため、いつもよりおいしく感じました。
佐藤シェフの今月のコラム 9
「世界の多様性」
前のコラムでも書きましたが、わたしは若いときシンガポールで大使館の料理長として働きました。シンガポールは他民族国家です。例えばタイ人はヒンズー教徒、マレーシア人はイスラム教徒、中国人は仏教徒が大多数を占めていますが、そういう文化も宗教も違う人々が同じ場所で暮らしています。買い物に出かけるときは大使館のドライバーに乗せていってもらうのですが、その人はマレー系の人で、買い物バックの中に豚肉が入っているかを聞かれます。入っているときはバック
を持つことも拒否されます。同じように、チャイナタウンで丸焼き用の子豚を買った後には、次のマレー系のお店ではそれを持って買い物はできません。現代はとても複雑で、ひとつの国の同じ民族の中でも宗教や文化の対立があり、さらに同じ宗教でも〜派がありそれ同士が対立するというのがめずらしくありません。その宗教や民族にしかない文化があり、それを理解しなければ料理もつくれないのです。
逆に料理から考えていくと、シルクロードに添ってスパイスや食材の使われ方が違っています。それはその時代の人達が自分たちの文化で使えるように変えていったからだと思います。
フランス料理だけでみても、古典フレンチ、現代フレンチ、コンテンポラリーフレンチ、イノベーション( innovation:革新)と様々なものがあり、イノベーションというものではフランス料理とはこうだ、という明確なところもなくなってきています。
多種多様である上に常に変化し続けている世界、料理をつくることで感じるのは、自分と異なるものを理解をする努力と、相手のことを思いやることを心がけなければいけないということです。