12月のチラシは2枚です。
最終回となるスープの日に、参加者の心に残ったスープを伺いました。
アトリエプログラムでは、そらまめぶとんの綿入れや、工作を行いました。
Monthly Archives: 12月 2016
11月のスープ
スープの日最終回の11月のスープは、「じゃがいもと仙台曲がりネギのスープ」でした。
見た目はクリームシチューみたいですが、食べてみるととてもすっきりしています。
通常スープはとろみがでないようにつくるそうですが、これは寒い季節に温まるようにと、ジャガイモと仙台曲がりネギをとろみがでるようにジューサーにどんどんかけてとろみをだしたのだそうです。
中にはベーコンや野菜、きのこが入っていて栄養も満点、身も心も温まるスープなのでした。
コラムにあるように、常に季節や食べる相手を思って毎回つくっていただいていたスープ。
そのスープを通して、たくさんの大切なことを教えていただきました。
スープの日は終了しますが、これからも佐藤シェフに教えていただく機会があると思います。
どうぞお楽しみに。
ほんの一部ですが、参加して下さった方々の心に残ったスープを12月のチラシでご紹介しています。
そちらも合わせてご覧下さい。
佐藤シェフのコラム 18
「最終回のコラム」
今月でスープの日が終わるため、コラムも今回で最終回となります。コラムの回数とおなじだけ、今まで18のスープを作ってきました。食材の組み合わせだけでなく、沸かし方、炒め方ひとつでがらっと変わるスープは無数にできるものですが、「スープの日」のためのスープで心がけたのは旬の食材を取り入れること、例えば和風のだしなどはつかわないなど、なるべくフランス料理という概念をくずさないことです。そしてわたしの手を離れてもおいしく食べてもらえること、こどもたちが食べるということや、コラムとの関係、室内か、畑かというスープの日が行われる場所なども考えて作りました。
わたしのお店ではコースを食べるというのが前提なので、ほとんど大人のお客様を相手にしております。「スープの日」のスープをつくることは、そういう面ではお店の料理とは違い、自分の子どもたちのためにつくる料理のようでした。わたしは毎週日曜日、子どもと一緒にごはんをつくります。餃子を包んだり、パン粉をつけたり、子どもができることを取り入れて行います。小学生になってからは包丁など道具や食材はプロの使うものと同じものを使っています。その中では道具の危なさや、「食べものをつくるということは人の命をあずかるんだよ」ということや、「後片付けまでやって料理なんだよ」、などということも知ってもらいたいと思っているからです。わたしにとって一緒に料理をすることは子どもたちとコミュニケーションをとることなのです。
お店の料理と、子どもとの料理や「スープの日」のスープ、条件が違うのでそれぞれ違いはありますが、自分の考えをしっかりともっていながら、相手のことを考えてつくる、という点では共通しています。それは本物とは何か?ということでもあります。フランス人が小さい頃から食べている料理が本当のフランス料理だとしても、日本人の口に合わない場合があるかもしれません。同じ日本でも東京や京都でも違いがあります。そういう場所で全く好みに合わないものをこれが本物だから、と主張することは、お客様を無視して無理強いすることになってしまいます。その土地、お店の形態やお客様に合ったものを料理人が自分で考え最善をつくした料理をお出しできることがプロであり大切なことなのだと思うのです。
それは子どもを育てることと同じなのかもしれません。子育てや教育論というものはたくさんありますが、どれか正解があるというわけではなく、それが自分の子どもにとって合っているか?親の自己満足でないか?ということを子どもを良く見て親が自分で判断することが一番大切だからです。