Author Archives: satachi

10月のスープ

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10月のスープは塩漬け豚と白菜のポトフでした。
一週間塩漬けされた豚肉は、ゆっくりと火を通されるので、切ってみると自然のピンク色をしています。
形がくずれないように紐でしばられた白菜と豚肉のかたまりをみんなでシェアして食べるのだそうです。
アクセントに、塩や粒マスタードを添えていただきます。
そのスープは澄んでさっぱりとしていて、自分でつくるポトフとは全然違います。

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今回は人数が少なかったので、大人のおいしいスープの日としました。
畑で間引いた白菜、ちぢみ菜、にんじん、大根を熱湯にさっとくぐらせ、サラダでいただきました。
ドレッシングは油と酢、塩、こしょうのシンプルなものですが、にんじんの葉や大根の葉といったくせの強い野菜をひきたててくれてとてもおいしくいただきました。

次回でスープの日とこらむは最終回となります。

佐藤シェフのコラム 17

「秋の食材」

 5月に「春の食材」というコラムを書きましたが、今回は「秋の食材」について書いてみます。
 皆さんは「ジビエ」という言葉を知っていますか?これはフランス語で狩猟で捕った天然の鳥獣をさします。例えば、鹿、猪、ヤマシギ、ヤマウズラ、カモ、ハト、ライチョウ、ウサギなどは有名です。ジビエを使った料理はフランスの伝統的な料理ですが、ジビエの旬が秋から冬なのです。元々天然の動物の肉は脂肪が少ない肉ですが、秋は冬に向けて一番脂がのる時期だからです。それらの肉は通常ねかせてから調理されます。鳥なら羽、ウサギなら毛がついたままぶらさげられ、風にあてたりして熟成させます。
 天然のものなので、捕り方によっても肉の品質が変わります。散弾銃の玉がうちこまれたものは腐敗が早いため、あみなどで傷つけずに捕まえたものは価値が高くなったりします。
 日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、またぎ料理にちかいのかもしれません。人間に育てられた肉よりも脂肪分が少なくぱさつきやすいため、火がしっかり通ったレアで調理されるのが普通ですが、煮込んだり焼いたり、内臓をソースにしたりします。ジビエの肉は貴重で高級食材のため、それを料理にすると高価なものになりまが、肉の保存の仕方、熟成の具合、火の通し方、スパイスやソースどれもその料理人によって全然違うため、料理人冥利につきる食材なのです。
 食育ではよく命をいただくといいますが、同じ動物の肉をいただくとしても、家畜と野生動物ではこれだけの違いがあり、ただ空腹を満たすだけではなくおいしく料理するということは人間の知恵を絞った大切な文化なのです。
 わたしのお店ではいいものが入ったり、ジビエがお好きなお客様がいればお出ししたりします。今年の秋は例年になく急に冷え込んだり、暑くなったりと気温が不安定で、なかなか煮込みなどのメニューを考えるのが難しいのですが、これから冬に向けてお店の料理も変化していきます。

プレ企画「いっしょにはたけ」はじまります

10月から、プレ企画として半年間の「いっしょにはたけ」はじまります。
詳しいことはご連絡ください。
小さいお子さんとじっくりと畑を観察してみましょう。

『プレ企画 いっしょにはたけ 10月〜3月コース』

日:毎月第1、第3月曜日(全12回)(チラシに全10回とありますが誤りです)
時:午前10時〜11時
場所:アトリエの畑
料金:チケット制
   一組12回分6,000円(チラシに5,000円とありますが誤りです)
   大人と幼児はお茶とおやつ付き
年齢:0歳〜の親子ひと家族を1組みとします

*10月のみ第3、第4月曜日になります
*雨の場合どうするかは毎回ご連絡いたします
*お車でおいでの方は事前にお知らせ下さい。
*キャンセルの場合は当日の朝までにお知らせ下さい。キャンセルにより3月にチケットが余った場合はその分の返金をいたします。
*離乳食のお子さんは飲み物、おやつをご持参下さい
*外遊びについての疑問点や心配点がございましたら何でもご相談下さい

10月のチラシ

10月のチラシは2枚です。
スープとコラム、スープの日に作ったかぼちゃの丸焼きなどについてのvol.29と、いよいよ本格的な陶芸となったねんどのプログラムのその4、その5の様子、畑マンガのvol.30です。

チラシvol.9

チラシvol.9

9月のスープ

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9月のスープはバターナッツ・スカッシュかぼちゃのクリームスープです。
バターナッツ・スカッシュは昔は手に入らず頼んで作ってもらっていたそうですが、今は直売所などでよく見かけるようになったそうです。
スープにするのに適したかぼちゃということですが、その通り、とてもなめらかな舌触り、やさしい甘さで、身も心もほっとするスープでした。
あっというまになくなってしまいました。

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佐藤シェフのコラム 16

「責任をもつこと」

わたしには娘がふたりいますが、大きくなっても一緒にスポーツをしたいと思い、上の子が小さいころにわたしがやっていたテニスを習わせました。しかし、娘が小学3年生になったときに、テニスをやめたいと言われました。理由を聞いたところ、「本当はわたしはやりたくなかった。」ということでした。わたしはその時に、自分でやりたいという気持ちで始めなければ、どこまでいっても親や自分以外の人に責任転嫁ができ、逃げ場があるのだということに気がつきました。それからは、こどもに何をやりたいかを考えさせ、決定も本人にさせることにしています。そのひとつとして、夜に次の日にやることを自分で決めて書きとめさせ、それをわたしが帰宅後に見るということを続けています。計画がたてられないときや、実行できなかったときは、なぜできなかったのかを本人の責任のもとに考えます。また大きいことを決めるときや迷っているときには、判断する材料をたくさん探すことを手伝います。そして、どのような判断をしたとしても、間違っていてもいい、やってみてだめだったらまた次を考えなさい、という気持ちで見守っています。
 十人の親がいれば、十人の教育方針があって当然です。わたしがこのように考えるのは、シンガポールで日本とは違う文化の教育をみてきたこともありますが、料理人として下の人達をまとめる、経営者と話し合いをする、若い人に教えるなど、様々な立場で発言をする機会がたくさんあったからかもしれません。立場がたくさんあるからこそ、どんな場合も同じ発言を責任を持ってするよう常に心がけてきたからです。
 今は大人でも「しょうがない」で片付け責任をとらない人が多くなったように思います。以前にも書きましたが、失敗を恐れる風潮や、直接の会話ではなくメールなど、少しでも自分にダメージがないように生きられるように社会が変わってきたのかも知れません。
 それでも、娘や若い人には、将来を自分の力で決めていくために、日頃から責任をもつことについてきちんと考えてほしいと思っています。親や大人にできることは、失敗から守ることではなく、たくさんの失敗をさせてあげられることなのですから。
 

9月のチラシ

9月のチラシは2枚です。
夏休み期間、原町の商店街ではふとん屋さん、平成の商店街では魚屋さんに大変お世話になりました。

チラシvol.24

チラシvol.24

8月のチラシ

8月のチラシは2枚です。
「はらのまちできく」アトリエと畑を貸して下さっている、原町本通りに住んで12代目の大家さんへのインタビューも載っています。

チラシvol.9

チラシvol.24

7月のスープの日

7月スープ

7月のスープはガスパチョでした。
トマト、タマネギ、きゅうり、にんにく、バジルを塩とシェリービネガーを入れて一晩置き、野菜からでた水分だけでつくられたスープです。
昨年7月にも登場した暑いときに元気になる「のむサラダ」です。

トッピングは目にも涼しいトマトのジュレと、コリンキー、きゅうり、紫タマネギ、クルトンでした。色も美しく食感が良い夏野菜と、クルトンの食感が酸味のあるスープを引き立てます。
大人は黒こしょうもかけていただきました。

トマトのジュレ
トマトのジュレ

佐藤シェフの今月のコラム 15

 8月は夏の長期休暇のためにスープの日はお休みとなります。休暇といえば、昔はいろいろなことを吸収したくて様々な国へ行きました。エアチケットのみで、宿や目的地は決めずに行きます。例えばフランスのシャルル・ド・ゴール空港について、国内線でニースに行き、さて左へ行けばスペイン、右へ行けばモナコ、イタリアだけれど、どうするか、という具合に行き先を決めたりしていました。バスや、レンタカー、東南アジアではレンタルバイクを借りて移動します。危険な地域では前もって宿をとることもありましたが、基本的にはそうした旅をしていました。
 フランス料理人を志していながら、心ならずもシンガポールの大使館の料理長になったことから、1年間は休暇と言えばヨーロッパばかり行きました。高級な料理店を何ヶ月も前から予約して行ったりしていたのです。
 しかし、1年後、それではシンガポールにいる意味がない、そんなふうに過ごして自分のために何になるのだろう、と気がつきました。ひとつは、シンガポールで一緒に働いていた和食の料理人が、現地のものには目も向けず、これがないからだめだ、これがなければ作れない、と言っている姿を見たことが反面教師となったことと、シンガポールを訪れるバックパッカーの人たちが現地のローカルフードを食べ話すことを聞いた時にそういうことも大事だと気がついたのです。
 料理の本質とは、お金持ちの人だけが食べる料理ではなく、小さい頃から食べているもの、伝統的な料理、日常の中、まさに、衣食住の食なのです。それからは、東南アジアの国々をまわり現地のものを食べ、ヨーロッパに行っても有名な店ばかりではなく、街の食堂で食べ、同時にその国や地域の文化をたくさん見てきました。犬肉やあひるのくちばしなどなんでも食べましたが、孵化した鳥が入っているたまごだけはにおいでどうしても食べることができませんでした。
 今思えば若くやとわれていたころは向上心のかたまりで、長期休暇はとにかく様々なことを体験してきました。オーナーシェフとなった今は普段の休みも仕事があることが多く、家族や子どもを持ったことでも休暇の意味は変わってきましたが、なおさら年に2回の長期休暇は充電期間となるので、働くのと同じくらいお休みをとるということを大切だと考えています。 
 
 

6月のスープの日

6月のスープ

6月のスープは「マスクメロンのスープ、オマールエビをのせて」でした。
果物のスープは今年2月にリンゴのスープがありました。
リンゴのスープはデザートのスープでしたが、今回のスープはくだものを使用した前菜のスープです。
マスクメロンのさわやかな甘さにレモングラスやフェンネル、ミントなどのハーブが複雑に香り、最後に垂らしたオリーブオイルがさらに香りを引き立てます。
トッピングのオマールエビの塩味がなくてはならない存在感。香りと味が確実に組み立てられて一体になっているのです。
出会ったことのない驚きのスープでした!

つるしたまねぎ

スープと一緒に食べたのは、アトリエで収穫したタマネギです。
子どもたちが泣きながらスライスしてくれたタマネギに、ベーコン、チーズ、トマト、キャベツ、コンビーフ、玉子など好きなものを合わせて自分だけのホットサンドをつくりました。
ホットサンドはたっぷりの具で作ることができ、どの組み合わせでもとてもおいしくできました。

佐藤シェフの今月のコラム 14

先月はグリーンピースのスープでしたが、グリーンピースはさやから出した豆の状態とさやのままのむいていない状態の両方で市場などでは売られています。さやつきの豆の方が緑色が濃くやわらかいので、そのまま使うときにはさやから豆を直前にとりだしてゆでます。ピュレ−にするときなどは、むいたものを使う場合もあります。
 トマトやトウモロコシもどのくらい畑で育てたかで味は変わります。じっくりと育てて一番良い時期に収穫されたものは、やはりみずみずしく甘いです。
 わたしは畑で野菜は作っていません、だから野菜の味は自分が調理をするための知識と、実際に生で食べ、茹でて食べ、焼いて食べた経験などから判断します。
 お店で使っている野菜を作って下さっている農家さんへ畑を見に行くことはありますが、農家さんは畑のプロ、プロの仕事はプロに任せるのが一番と思っているため、野菜をつくる人の視点とは少し違った料理人の視点で畑をみているのかもしれません。例えば野菜を見たとして、これはもう少し大きくしてもらえばいいな、とか、ルッコラは花の部分を食べよう、黄色いにんじんはただ茹でてしまったらどの野菜とも同じになるから意味がないな、薄くくるくるむいて生でのせるか、これだったらローストなどの調理法にたえられ、この野菜をより活かすことができるな、などと考えています。
 流通の仕組みの違いなのか、スーパーの野菜売り場はあまり季節感はないのですが、畑と同じように野菜の直売所や魚市場などに行くと「ああ、この季節なのだ」「今年はこれが早いな」などと感じ、料理のインスピレーションがわいてきます。
 わたしは自分が他のお店の料理を食べることも大切にしていますが、若い頃は、他のお店に食べに行くと、お皿の上のものだけを、「おいしい」や、「ちょっと違うのでは?」など考えながら食べていたものです。しかし、40代になる今は、そこにある料理だけではなく、それが出てくるまでのお店の雰囲気や、サービスなどすべてを含めて全体的にみるようになりました。
 どうすればお客様に本当に満足してもらえるのか、若い人達がどんどんでてくるなか、自分が50代、60代になっても変わらずに良い料理と時間を提供し続けるにはどうすればよいのか、そうしたことを考えると、自然とものごとを広い視野でていねいに見るようになります。同じように畑や、直売所を見ることひとつとっても、ただ野菜を買うというだけではないのです。

ワークショップのお勉強会第二回目・三回目

美術館創作室での、齋さんとのワークショップのお勉強会の第二回目が2月12日(金)に、第三回目が6月17日(金)に行われました。

第一回目で学んだRSPVサイクルがよくわかっていないことが第二回目に判明したため、参加者による勉強会の勉強会ももたれました。

第三回目は、美術館で実際に行われている齋さんの美術館探険を見学させていただきました。

第3回勉強会

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