4月のスープの日

By | 2016-05-04

4月のスープ

4月のスープは畑でも収穫真っ最中の春キャベツを使ったクリームスープ「春キャベツとケールのスープ、ベーコン風味」でした。
色はキャベツの優しい黄緑色です。
ベーコンを炒めた油で風味をつけたのでベーコン風味。
ベーコンが入っていないけれどほんのり香りがし、強すぎず春キャベツの甘さが引き立ちます。
焼いてパリパリにしたパルメザンチーズをくだいてトッピングしますが、その塩味がまた絶妙なアクセントになっています。
野菜のいいところを際立たせるプロの技がすごいです。

炒り豆おにぎり

今月から畑の野菜を使って簡単な料理も作ります。
今回は、昨年畑で収穫した大豆と他2種類の大豆を炒り豆にしてごはんと一緒になべでたき、おにぎりにしました。
炊く前に、炒り豆の食べ比べをしました。
大豆の種類によって同じ炒り豆でもずいぶん味は違います。
ごはんはおいしくできました。

佐藤シェフの今月のコラム 12

「春の食材」

 宮城では桜の季節が終わろうとしています。みなさんは春というとどんな料理を思い浮かべるでしょうか?わたしは普段はできるだけ地域の食材を使って料理をつくっていますが、この時期はフランスから白タンポポとホワイトアスパラガスを取り寄せています。タンポポは日本ではスーパーなどでは見かけませんが、フランス料理ではよく使われる食材で、山菜のように少し苦みがあります。白タンポポはホワイトアスパラと同じように、普通のタンポポを遮光して作られます。旬は3月初めから5月初めぐらいの2ヶ月間で、その間お店ではメニューに登場します。アスパラガスは東北では山形が有名ですが、旬はもう少し先になります。フランスのものは茹であげるまでに10分ぐらいかかりますが、日本のものはもう少し早く、水分が多いように感じます。湿気の多い日本の気候が影響しているのでしょうか?
 日本はこの時期桜エビや桜鯛(真鯛がこの時期こう呼ばれています)、たけのこも旬です。たけのこと言えば、東京にいたときに鎌倉や千葉県からハーブを取り寄せていたため、ハーブ祭りなどがあるとお手伝いにいくこともありました。ちょうどこの季節に牛を一頭焼くために訪れたところ、たけのこをごちそうになることがありました。掘ったばかりのたけのこはアクがなく、そのままお刺身や炭火焼きで食べることができます。その味はいつも食べているものとは全く違いました。普段は堀りたてとはいきませんが、アクは空気にふれればふれるほどでてきてしまうので、あまり地面からでていないものが良いため、たけのこを選ぶときは、なるべく土がついていて穂先が緑色でないものがいいようです。
 桜前線が長い時間で日本を縦断するように、同じ国内でも旬にはかなりの差があります。そして同じ野菜でも先駆けで売られるハウスでつくられたもの、大量に出回る露地ものでは風味も違います。アスパラガスでもわかるように、育てられた土地によっても違いはでてくるものです。料理人はそんな微妙な食材の旬を取り入れお客様に季節を楽しんでいただけるように考えて料理を作っています。桜がもたらす春の喜びのようなものを、料理でも感じていただけたら嬉しいのです。