8月29日(土)のスープの日は金山赤かぼちゃのクリームスープでした。
金山赤かぼちゃは奥会津金山町でつくられている皮がオレンジ色のかぼちゃです。
実はほくほくして普通のかぼちゃより甘みが強いのが特徴です。
水で煮たかぼちゃに(ほくほくだから水分がなくなってしまうそう)牛乳とクリームを足し、最後に香りづけにポートワインをたらしただけのスープなのに、とても濃厚で複雑な味です。
食べながら、かぼちゃ以外に何か入っているようだね、とお話していましたが、かぼちゃだけ!びっくりです。
秋の気配を感じながら、久しぶりに温かいスープの日でした。
佐藤シェフの今月のコラム5
「きらいな食べもの」
子どもをもつ親はだれでも、お子さんの食べものの好き嫌いに悩んだことがあるのではないでしょうか。親としては何でも食べて欲しい、栄養のあるものを食べて欲しいと願いますね。
わたしは二人の娘を持つ父ですが、必ずしも嫌いなものをたべられるようにならないといけないとは思いません。料理人をしていると、お客様が食べられないという理由には、嫌いだけではなくアレルギーや宗教上の問題などもあります。嫌いには、においや食感が好きではないという嫌いと、食わず嫌いがありますが、それだけでなく、10人の親がいたらそれぞれに違った考えがあるために、子どもの好き嫌いの理由は一概にはいえず、いろいろな背景があるようにも思います。さらに、わたしの時代には、嫌いなものは鼻をつまんででも食べろという親のしつけがありましたが、今はそういう時代でもなくなってきているようです。
職業柄、常に食事をともにできないわたしが娘たちに心がけているのは、外食などしたときに自分の食べられる量を頼み、それを残さないこと、ということです。それは料理や食材を作ってくれた人のことを考えることや、世界の中には食べることができない人達がいるということを学んで欲しいからです。それから、もしその中にどうしても嫌いなものがあったとしたら、1つだけは食べてみようと言います。例えば、同じ食材でも食べるお店や料理の仕方によって全く違ったものになっていて、家とはどう違うのかというのも体験してもらいたいからです。大人になると味覚は少しずつ変わってきますから、ほんの少しずつでも五感で感じていってほしいのです。
ご家庭によって食事の方針は本当に様々だと思いますが、いずれにしても子どもに食べさせるということは重責ですね。